実のなる木

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近所を散歩していたら、何かしらの実がなった木が生えていました。その何かしらは何なのかわかりませんでしたが、おそらく柿かビワかその辺りの果物でしょう。木の下にはいくつも潰れた実が落ちていました。

その木の下まで来て私は立ち止まり、枝の方を見上げてその実が水玉模様のように点在している様を見て思わず「わぁ、キレイ」と呟いてしまいました。私はその時、初冬の空とお話できたような気持ちになり、何気無い気持ちで出かけただけなのにこんな出会いがあるのだなぁ、と感動を覚えたのです。

オレンジとピンクの中間色の様な色をしたその実は、柿なのかビワなのか私には判断できなかったので、特にそこから何かしらのエピソードを思い出す事はありませんでしたが、もしもそれが柿だったら小学校の時、担任の先生に好きな果物を尋ねられて、柿と即答したにも関わらず、帰宅してからやっぱりスイカの方が好きかもしれない、先生に嘘をついてしまった、と夜遅くまで頭を抱えたエピソードを思い出し、もしもそれがビワだったら小学校の時に「ビワ団子」というお土産を貰い、「ビワ、ビワ、ビワ、ビワ団子」というフレーズの歌を即興で作り、従兄弟の前で披露したエピソードを思い出していた事でしょう。

特筆すべきは「あー、そうであったらそれを思い出していただろうなぁ」と木の下でその実を見上げている時点で既に思っていたという事です。柿ともビワとも言い切れない果物を見たわけですから、そこから柿やビワに関する何のエピソードを思い出さなかったにも関わらず、もしも柿だと認識していたら、もしもビワだと認識していたら、という想像でそれらにまつわるエピソードを思い出していたのです。

とある発見と、そこから呼び起こされた記憶の関連性に思わず膝を打った散歩の話です。