野朗

鏡を久しぶりにまともに見たら、とんでもないヒゲまみれの人間がつっ立ってて、気色悪っ、と思った。

「俺っ」とか「人っ」の前に「毛っ」というのが先に来て、しかも自分で自分を見て「毛っ」が来るということは自分という人間の本体は、目でも皮膚でも、もしくはそれらをまとめた全体像では無く、毛であるのだとわかり(?)、畜生めと思う。毛畜生。

(しかも眠った時に頭頂部の毛ゾーンが潰れて、両の側頭部のKが主張し、威嚇する時のハリセンボンみたいになっている。気持ち悪い)

しかも毛がチクチクとこちらに向かっている。生理的にゾクゾクっとするものがある。恐ろしい。